これらのリスク管理の状況は経営会議、取締役会へ報告する体制を整備しています。
また、収益部門と分離されたリスク管理部門を定めることで相互牽制体制を構築するとともに、内部監査部門がリスク管理の実効性について検証・チェックを行うなど、二次牽制機能の確保も図っています。
【社労士監修】リスクマネジメントの重要性とは?人事労務管理におけるリスク対策と必要性を徹底解説!
リスクマネジメントの不手際により、業務改善命令が発令される企業が増えており、多くの企業でコンプライアンスやリスクマネジメントを策定する動きがみられます。
企業や組織の存続を左右するリスクマネジメントでは、「顕在的・潜在的なリスクは何か」をしっかり把握することが大切です。しかし、リスクの性質と種類を正確に把握することは、決して容易ではありません。
この記事では、人事労務管理におけるリスク対策と、リスクマネジメントの必要性を詳しく解説します。
リスクマネジメントの必要性
危機管理・リスクヘッジとの違い
リスクマネジメントの実施方法
リスクの発見
リストアップ | チェックリスト法やアンケート法によって、リスクを洗い出していく方法 |
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プロセスチェック | リスク管理フローチャート法を用いて、業務フロー記載し、想定されるリスクを洗い出す方法 |
シナリオ・アプローチ | 将来の投資状況を想定し、それぞれのシナリオの生起確率を推測。市場を予測する方法 |
財務分析・会計データ活用 | 財務・会計を基準に、投機の可否や損失リスクを予想する方法 |
詳細調査 | インタビューや文章チェックなどのアプローチから詳細を調査し、リスクを洗い出す方法 |
比較分析 | 強み、弱み、内的要因、外的要因を分析し、比較可能な事象のリスクを洗い出す方法 |
リスク管理部門の設置 | 取締役会で指名された執行役を委員長とする委員会を定期的に開催し、抽出されたリスクとその対応策を確認する方法 |
リスク分析
リスク評価
リスク分析を終えたら、リスクを可視化するためリスクマップを作成します。
リスク管理
ERM( Enterprise Risk Management =全社的リスクマネジメント)とは、企業価値の最大化を図るため、事業活動に係るあらゆるリスクを可視化し、統合された仕組みで管理を行うリスク管理手法のことを言います。当社グループでは、従来から部門ごとにリスクの抽出・評価、対策実施状況のモニタリングなどERMを行ってきましたが、リスク管理の高度化に向け、2021年からは、戦略に関するリスク管理を包含する新たなERMのフレームワークの導入・運用を開始しました。具体的には、リスク選好に係る方針を「リスクアペタイト ステートメント」として明示し、健全なリスクカルチャーの醸成を目指します。そして、全社的に対処すべきリスクを「戦略リスク(=戦略の意思決定に内在するリスクや戦略の遂行を阻害するリスク)」と「オペレーショナルリスク(=事業の円滑な運営を阻害するリスク)」に分け、これらのリスクを一元的に把握・整理・可視化し、全社的に共有・議論を行うことで、効果的・効率的なリスク管理を図るともに、社外のステークホルダーへの説明責任をさらに強化していきます。
2. 中外製薬リスクアペタイト ステートメント
当社グループでは、社会との共有価値を創造し、企業価値を高める企業活動の根幹となるミッションステートメント(=企業理念)を基点とした事業経営において、経営目標の達成や戦略遂行を阻害する事象を「リスク」と捉えています。
戦略の意思決定や事業の円滑な運営を適切に行うために、リスクへの対応方針である「リスクアペタイト ステートメント」を定め、リスクカルチャーの醸成を図るとともに、従業員の一人ひとりがこれに基づいた判断・行動を徹底します。
3. 戦略リスクの管理
具体的には、科学・技術の著しい発展や新型コロナウイルス感染拡大に伴う社会システムの変容など、企業を取り巻く環境が大きく変化する中、経営の重要課題(マテリアリティ)と成長戦略「 TOP I 2030 」を遂行する上で、「技術・イノベーション」「医療制度や薬事規制」「市場・顧客」「事業基盤」に関わるリスクを重要リスクと定め、取り組んでいます。
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